映画監督の安藤桃子さん。

今回特別に、社会人初日を迎えた、

ある女性のストーリーを

書き下ろしていただきました。

想いの詰まった大切な言葉を伝えることは、

まさにギフトを贈ることと似ています。

それにより、きっと新たな絆が生まれるでしょう。

新しい一歩を踏み出す日に。 大切な人、応援したい人へ、その人が道に迷った時に「なぜその道を選んだのか」地図を思い出せますように、ギフトは時にあたたかな道標になるのです。

その音は、カメレオンの鳴き声にそっくりだったと思う。この世で最も弱々しい空気砲が発射された直後、炎上したのは私のまあるい頬だった。硬直した体に、飛び出た目だけが挙動不審にあっちこっち散らばって、胸に詰まった気泡と共に声なき声が喉から漏れた。誰にも私の名前は聞こえなかったはずだ。入学早々落ち込んだ。出席番号順に立ち上がり、名前を言うってだけなのに。愛とか情熱とか、そういうものが込められた力強い空気砲は人々の胸に点火するし、空間も熱を帯びる。出席番号順に立ち上がり、名前を言うってだけなのに、瞬時に周囲を魅了する人間もいた。私の放った軟弱空気砲の後、数秒の間があって、察したヒナタちゃんが背後で立ち上がり、凛とした自己紹介で散らかった空気を一気に清掃してくれた。その日から全人類の指針となった彼女は当然、高校の卒業生代表にも選ばれた。教育委員長の祝辞の後、門出にふさわしいギフトのような答辞を述べたヒナタちゃんから、思いもよらぬラブレターが実家に届いたのは卒業から2年後の今朝のこと。入社初日、緊張で一睡もできなかった私は、夜明けと共に気晴らしに家の外に出た。郵便受けを滅多に開けない母の代わりに確認すると、そこには淡いオレンジ色の封筒が入っていた。ヒナタちゃんとはほとんど関わることなく卒業を迎えたから、手紙を受け取ったのは私の平凡な人生の中で一番の驚きだった。ただ、私はヒナタちゃんの答辞の一部分をこれまでずっと心の支えにしてきたものだから、彼女の名前を封筒に見たと同時に、心臓は倍速で鼓動を打ち始めた。「あまりお話もしたことがなかったので、不思議に思うかも知れませんが、私はみつきさんのことがとっても好きでした。憧れのようなキラキラした気持ちです。私が勇気を出せず、仲良しにはなれなかったけれど、いつも存在そのものに支えられていました。今もです。みつきさんにはそのつもりが無いだろうし、変な手紙でごめんなさい。ただ、感謝だけでもお伝えしたかったんです。本当にありがとう」それはとても優しく、深いところで衝撃的なものだった。空一面広がった朝焼けは虹色で、誰一人としてもらさない優しさが胸に澄み渡ってきた。私もまた、誰かにとっては光を放つ存在だったのだから。頑張れば誰にでもなれると思ってきたけれど、私は本当は、自分になりたかったのだ。

『私たち108名はそれぞれの未来に向かって旅立ちます。道が別れ、地元を離れる友もいます。ここまでは、自分の中の答えが出るまで待ってくれる先生や大人がいました。でも一歩出たら、白黒はっきりしろと迫られる時もあるかも知れません。しかし私たちは境界線のない虹です。一人ひとりは違う色でも、グラデーションは無限です。世界は曖昧で美しい虹のようにひとつの光です。卒業と同時にスタートラインに立つ今、感じているワクワク、こうなりたいという色彩豊かなビジョン、想いを、しっかり刻んで生きてゆきます』何百回見たか分からない、母がスマホで撮ってくれていた動画の答辞の一部分を、社会人初日の今日も流しながら電車に乗る。新しい世界での第一歩。自己紹介はやっぱり怖くてみっともないくらい緊張したけれど、口から放たれた自分の名前は、思いのほか清らかな響きだった。

Monthly Recommend カラフルだったり、キラキラしていたり、ワクワクするようなアイテム。それは、そのまま、これから歩んでゆく人生に対しての希望や夢への想いなのだと感じます。この春、新たなスタートを切る人には、これから始まる冒険の“おとも”にふさわしいギフトを贈りませんか?

新たな歩みに上質なソックスを。スタートダッシュを決めるには、きっと足元の快適さも不可欠。最高のパフォーマンスを発揮するために、上質な心地よさを贈りませんか?コーディネートの差し色にも使える大人っぽいニュアンスカラーなら、さりげなく個性も演出できちゃいます。
1枚で自在にイメージチェンジ。首に巻いたり、髪に巻いたり、簡単にイメージチェンジできるスカーフは、入学や就職のお祝いギフトとして人気のアイテム。しなやかなシルクの風合いなら、一年中使えてとっても便利。選んでいるうちに自分も欲しくなったら、ぜひ色違いのお揃いを。
春は朝食から始まる!?“春眠暁を覚えず”のように春も含めて、一年中朝が苦手という友だちには、朝食が楽しみになる食器を贈ってみませんか。キチンとした朝食がイメージできれば、意外とラクに目が覚めるかも。“食いしん坊VS朝寝坊”、勝つのはどっち?
希望をくれる、虹のかけら。新生活は毎日が冒険。ストレスや疲れを感じたら、すぐに補給できる回復アイテムが必要です。様々な色や形の琥珀糖は、まるで虹のかけら。シャリシャリっと頬ばれば、希望までチャージできそうです。夢に向かって頑張る人に、お守り代わりのおやつを。
ブレずに、流されずに。この春から新たなステージで活躍することになった彼女に、あえてクラシカルな時計を。時代の変化に流されないデザインの腕時計は、多忙でも自分らしさを忘れない現代のビジネスパーソンにぴったりです。
“しっかり者”を目指すなら。入社して初めて手にするIDカードにワクワク、ドキドキ。新人のうちはなかなか地に足が付かないものですよね。ついつい舞い上がって大事なカードをなくさないように、上質な型押しレザーのIDカードホルダーをプレゼント。
本気の“ひとつ結び”。彼女が髪を後ろでひとつに結ぶとき、それは“今から集中するよ”の合図。いつもベーシックなヘアゴムだったけど、新しい職場では、ビジュー付きのヘアアクセサリーで華やかに輝いて。本気度マックスの実力をアピールしてね。
第一印象もカスタマイズ。“髪がよければ大抵のことはうまくいく”。そんな格言はありませんが、髪は第一印象を左右する要素のひとつ。一人ひとりの髪質に合わせてフルカスタマイズできるヘアケア製品を、名前を綴るメッセージと共に、新生活が始まる人への贈り物に。
香りでモチベーションアップ。“カタチから入る”タイプの人には、インセンス・スティックなど香り系のギフトがおすすめ。いつもよりラグジュアリーな香りに包まれれば、成功のイメージが湧いてきそう。自分をその気にさせる小道具として、きっと役立つことでしょう。
アナログから1歩前進。そろそろ重たい財布を卒業したがっていたキャッシュ派の友達には、ワンタッチでカードを取り出せるカードホルダーを贈って。スキミング防止のプロテクト機能付きだから通勤時にも安心。身近な人にデジタル化を推進しちゃおう。
誕生石のもの語り
数十億年前に、地中深くで生まれたダイヤモンドは、マグマにのって地上にやってきました。そのとき、上昇スピードが遅かったものは石墨になってしまったのだとか。つまり、地球上のダイヤモンドは、すべて急上昇できたエリート達。“宝石の王者”という異名にも納得です。その秀逸さを湛えた、高貴な輝きを身につけて。

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ともだちとの絆をカタチに。 新しい一歩を踏み出す日に。 latest issue
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